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交通事故 神戸 弁護士 栄町法律事務所

後縦靭帯骨化症とは


【後縦靭帯骨化症】(こうじゅうじんたいこっかしょう)とは

 後縦靭帯骨化症(OPLL)とは、脊柱管の前方に位置する後縦靭帯が異常に骨化し、脊髄または神経根を圧迫することによって神経症状を呈する進行性の疾患です。骨化の好発部位は頚椎ですが、胸椎や腰椎に及ぶこともあります。初期には無症状である場合もありますが、病状が進行すると脊髄症状や神経根症状が現れてきます。頚椎型では、頚部痛、肩こり、四肢のしびれ、手指巧緻運動障害、筋力低下、歩行障害(ふらつき、つまずき)、さらに排尿障害(頻尿、排尿困難など)を呈します。本疾患の原因は明確には判明しておりませんが、加齢に伴う変化や糖尿病をはじめとする代謝性疾患との関連が示唆されています。診断には、問診および神経学的所見を確認したうえで、X線画像によって後縦靭帯の骨化を確認します。脊髄の圧迫状態の評価にはMRIが有用であり、脊柱管内の病変を詳細に描出することが可能です。なお、交通外傷と合併することで脊髄症状が顕在化することがあり、そのような場合には後遺障害等級の認定において、事故直後から脊髄症状が存在していたことを明確に記録し、証明する必要があります。これは、自賠責保険制度等における後遺障害認定の前提条件となります。