ようついすべりしょう
腰椎すべり症とは、腰椎の後方部分にある上下椎間関節突起部が疲労骨折により分離し(腰椎分離症。スポーツ選手に多く見られます)、その結果として椎体が正常な位置から前方にすべる病態を指します。腰椎がずれることで神経根が圧迫され、腰痛や片側性の下肢のしびれ・痛み、間欠性跛行といった神経症状を引き起こします。診断方法としては、X線検査(レントゲン)の斜位撮影において、「ヨークシャー・テリアの首輪(スコッチ・テリア・サイン)」と呼ばれる所見によって椎間関節突起部の分離を確認する方法が広く知られています。また、交通事故による外傷と合併して症状が顕在化し、神経症状を伴う後遺障害の原因となることもあります。
実例 後遺障害等級変更 非該当→14級9号
歩行中に自動車と接触する交通事故により臀部を打撲し、腰部から下肢にかけてのしびれの症状が残存しました。当初の後遺障害等級認定は非該当となりましたが、当事務所で受任後、画像を精査したところ、後遺障害診断書に記載が無かった腰椎の前方すべりの所見が認められたため、その旨を指摘して異議申立てを行い、14級9号への等級変更が認められました。