てぃーあんどてぃーおるふぁくとめーたー
臭いの感度を客観的に測定するために使われる基準嗅覚検査キットです。5種類の基準臭(花の臭い、甘い臭い、腐敗臭、果実臭、糞尿などの不快臭)について、それぞれ8段階(-2~+5、甘い臭いについては、+4までの7段階)の濃度で構成され、濃度の薄い順から嗅いでいき、初めて臭いを感じた濃度(検知域値)と何の臭いかを当てた濃度(認知域値)を測定し、5種類の域値の平均値を算出し、測定します。評価区分としては、域値の平均値に従い、正常嗅覚(1.0以下)、軽度低下(1.1~2.5)、中等度低下(2.6~4.0)、高度低下(4.1~5.5)、嗅覚脱失(5.6以上)とされます。自賠責保険においては、認知域値の平均値を基準にして、5.6以上の場合を「嗅覚脱失」として12級、2.6以上5.5以下の場合を「嗅覚の減退」として14級の後遺障害等級が認定されることがあります。
実例 後遺障害等級認定 併合11級
交通事故により、ルフォーⅡ型骨折(上顎骨が鼻骨複合体を含めて骨折したもの)術後及び顔面瘢痕拘縮の傷害を負い、両鼻の嗅覚障害の自覚症状が残った被害者について、当事務所で治療記録を精査し、治療段階で実施されていなかったT&Tオルファクトメーター検査の実施を指示しました。検査結果(オルファクトグラム)を提出して後遺障害認定を申請した結果、基準嗅力検査の認知域値と基準嗅力喪失値を比較し、「嗅覚の減退」が認められたことから、嗅覚障害について別表第二備考6が適用され、14級相当と認定されました。他の障害と併合され、併合11級が認定されました。(担当・中島弁護士)
参照条文
後遺障害等級表自動車損害賠償保障法施行令別表第二備考6「各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。」