しつがいこつこっせつ
膝蓋骨骨折とは、膝関節の前方にある、膝の曲げ伸ばしを円滑に行う役割を担う、三角形に近い扁平な骨である膝蓋骨が、転倒や衝突などの強い外力によって破損した状態を指します。骨片が大腿四頭筋腱や膝蓋腱に引っ張られて離れると、自力で膝を伸ばすことが困難になります。膝の腫脹や激しい痛みが出現し、触診により膝蓋骨部に陥凹を認めることもあります。治療法は、骨片の転位が軽度であれば、ギプスや装具による保存療法が行われ、転位が大きい場合には、ワイヤー等を用いた外科的固定術(例:テンションバンド法)が選択されます。骨癒合後も、膝関節に可動域制限が残ることがあります。