のうざしょう
脳挫傷とは、交通事故や転倒などにより頭部へ強い衝撃が加わることで、脳組織が損傷を受ける状態を指します。診断にはCTやMRIなどの画像検査が用いられ、損傷部位や範囲の確認が行われます。症状としては、意識障害、記憶障害、言語障害、運動麻痺、感情や人格の変化など、多岐にわたる神経症状が出現します。これらは「高次脳機能障害」として後遺障害が残存する場合があり、また、運動障害などの「身体的後遺障害」を伴うこともあります。特に、頭部に強い外力を受けた症例では、遷延性意識障害(いわゆる植物状態)や四肢麻痺といった重度の後遺障害を残す傾向があります。
実例1 後遺障害等級認定 7級4号
自転車乗車中に自動車と接触して跳ね飛ばされました。MRI画像上、脳挫痕が確認され、人格変化や注意障害、易怒性といった症状が出現したことから、高次脳機能障害として後遺障害等級7級4号が認定されました。(担当・弁護士中島)
実例2 後遺障害等級認定 1級1号(別表第一)
歩行中に自動車に衝突され、硬い路面に頭部を強打しました。CTおよびMRI画像にて広範囲にわたる脳挫傷が確認され、事故後には遷延性意識障害および四肢麻痺の状態に至りました。このため、自賠責保険において後遺障害等級1級1号(別表第一)が認定されました。(担当・弁護士中島)