まんせいこうまくかけっしゅ
慢性硬膜下血腫とは、脳を包む硬膜とくも膜の間に、時間をかけてゆっくりと血液がたまり、血腫が形成される病気です。主に軽い頭部外傷がきっかけとなって発症し、交通事故によって発症するケースもあります。多くの場合、外傷から数か月が経過してから症状が現れます。この疾患は、高齢者に多く見られる傾向があります。初期には頭痛がみられ、進行すると手足の麻痺や意識障害などの神経症状が現れます。診断にはCT検査が有効で、典型的には三日月状の血腫が確認されます。適切なタイミングで手術を行えば、予後は非常に良好です。ただし、一定の割合で再発することがあり、再手術が必要となる場合もあります。
実例 後遺障害等級認定 12級13号
歩行中に自動車と接触して転倒し、頭部と手を打撲しました。頭部については慢性硬膜下血腫と診断され、2か月後に穿頭ドレナージ術を施行し、後遺症は残りませんでした。手については舟状骨を骨折しており、12級13号が認められました。