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急性硬膜下血腫とは

急性硬膜下血腫とは

きゅうせいこうまくかっけっしゅ

 急性硬膜下血腫とは、交通事故などの頭部外傷により、脳と硬膜との間に血液がたまり、脳を圧迫する状態を指します。血腫は脳の表面に沿って広がる傾向があります。受傷直後から意識障害や麻痺が出現することもあれば、数時間かけて症状が急速に悪化する場合もあります。診断にはCT検査が用いられ、三日月状の高吸収域が典型所見とされます。治療としては、血腫による脳の圧迫が強い場合、緊急の開頭手術によって血腫を除去する必要があります。軽症であれば、入院下での経過観察や保存的治療が選択されることもあります。急性硬膜下血腫が生じるような重度の外傷では、開頭手術によって血腫を除去しても、重篤な脳挫傷やびまん性軸索損傷を合併していることが多く、高次脳機能障害や運動障害といった後遺障害が生じることがあります。この点が、手術後の予後が比較的良好な慢性硬膜下血腫との大きな違いです。

実例 後遺障害等級認定 2級1号(別表第1)
 交通事故による頭部外傷により、急性硬膜下血腫などの損傷を負い、事故当初から意識障害が存在し、脳挫傷痕も残存している状態であったため、日常生活に支障が生じていることについて、高次脳機能障害および身体性機能障害と認定され、後遺障害等級の認定を受けました。