こかんせつだっきゅうこっせつ
股関節脱臼骨折とは、股関節を構成する寛骨臼や大腿骨頭の骨折を伴い、大腿骨頭が寛骨臼から外れて脱臼した状態をいいます。交通外傷では、前部座席に乗車中、衝突時に膝をダッシュボードへ強く打ち付けることで大腿骨が後方へ押し込まれて生じる、いわゆる「ダッシュボード損傷(ダッシュボード・インジュリー)」が代表的な受傷機転として知られていますが、近年シートベルトの装着が一般化したこともあり、私の経験上は、むしろバイクや電動キックボード乗車中の転倒事故によるものが多い印象です。大腿骨頭が骨盤の後方へ脱臼した場合などには、坐骨神経を損傷することがあります。
また、股関節脱臼では、大腿骨頭への血流が障害されることがあり、整復までの時間が長くなるほど大腿骨頭壊死のリスクが高まるため、可能な限り早期に整復することが重要です。大腿骨頭壊死を生じた場合や、関節軟骨の損傷などにより将来的に二次性変形性股関節症を発症した場合には、人工股関節置換術が必要となることがあります。
実例1 後遺障害等級認定 12級13号
バイク乗車中に交差点で右折四輪車と衝突した交通事故により受傷し、股関節脱臼骨折の傷害を負いました。救急搬送され速やかに透視下にて整復が行われ、さらに関節鏡下観血的手術が施行されましたが、股関節痛の症状が残存しました。栄町法律事務所において、画像を確認したところ、関節面に不整が確認されましたので、後遺障害認定を求め、12級13号が認定されました。他の障害と併合され併合12級とされました。(担当:栄町法律事務所 弁護士 中島賢二郎)
<文責:栄町法律事務所 弁護士 中島賢二郎>