けんさかんせつだっきゅう
肩鎖関節は鎖骨遠位端と肩甲骨肩峰とをつなぐ関節であり、その安定性は肩鎖靱帯および烏口鎖骨靱帯を主とする靱帯群に加え、外側鎖骨に付着する三角筋や僧帽筋によって支持されています。転倒や交通事故などで肩の外側に強い衝撃が加わると、これらの靱帯や筋が損傷し、鎖骨と肩峰の位置関係が破綻することで関節の整合性が失われることがあります。これを肩鎖関節脱臼と呼びます。臨床症状としては、肩外側部の疼痛、腫脹、皮下出血が認められ、重症例では鎖骨遠位端が上方に突出して階段状の変形として観察されることがあります(実例1)。
実例1 後遺障害等級認定 12級5号
交差点で四輪自動車同士が出会い頭に衝突し、当方車両が横転する事故で、肩鎖関節脱臼の傷害を負いました。保存療法が選択されましたが、肩鎖靱帯の損傷により鎖骨の変形障害が残存し、後遺障害等級12級5号が認定されました。