けいついしょうせいしんけいこんしょう
頚椎症性神経根症とは、頚椎の加齢変化により生じた変性(椎間板の膨隆や骨棘の形成)によって、神経根(脊髄から枝分かれして腕などへ伸びる神経の根元)が圧迫・刺激され、肩から腕にかけての痛みや、腕・手指のしびれ、筋力低下、感覚障害などが生じる疾患です。なお、交通外傷による頚椎捻挫で見られる肩から腕にかけての症状は、もともと存在する頚椎の加齢変化に、交通事故による衝撃が加わることで発生すると考えられます。
頚椎を後方へ反らす動作によって症状が増悪するのが特徴です。診断は、症状を誘発する動作やX線による頚椎の変性所見に基づいて行われ、必要に応じてMRIによって神経根の圧迫や椎間孔の狭窄の有無を確認します。自賠責保険における後遺障害認定においては、訴えている症状と整合する変性所見が画像上確認されることにより、長期間にわたって持続する痛みやしびれの症状が医学的に説明可能であると評価される傾向があります。