けいこつこうげんこっせつ
すねの骨である「脛骨」の上端部分は、高地に広がる平原にたとえられ、「脛骨高原」と呼ばれています。脛骨高原骨折とは、膝関節を構成する脛骨高原(こうげん)に生じる骨折を指します。脛骨顆部骨折とも呼ばれます。脛骨高原は大腿骨の下に位置し、膝関節を構成するとともに、荷重や衝撃を受け止める重要な部位です。交通事故や高所からの転落により、外力が大腿骨を介して脛骨高原に加わることで、関節面が陥没したり、粉砕骨折を起こしたりするのが典型的です。症状としては、膝の強い痛み、腫れ、関節内出血、可動域の制限、荷重困難などがみられ、時に半月板損傷、内側側副靱帯損傷、外側側副靱帯損傷を伴うこともあります。診断には
X 線検査のほか、関節面の詳細な評価には CT 検査、半月板や靱帯損傷の評価には MRI が用いられます。交通事故による外傷の場合、膝関節の機能障害や慢性的な疼痛などについて、後遺障害が認定されることがあります。
実例1 後遺障害等級変更 14級9号→12級13号(異議申立)
バイク乗車中、先行していた四輪車が突然左折して路外へ出ようとしたため、これを避けきれずに接触・転倒し、脛骨高原骨折の傷害を負いました。膝の疼痛が後遺障害として残存しましたが、当初は関節面の不整が認められないとして、後遺障害等級14級9号と認定されました。栄町法律事務所において検討したところ、骨折部の陥没をより明確に描出できる撮影方法による画像検査が有用と判断し、その撮影を依頼しました。新たに得られた画像を添付して異議申立てを行った結果、陥没による関節面の不整が認められ、後遺障害等級12級13号が認定されました。(担当:栄町法律事務所 弁護士 吉田皓)
実例2 後遺障害等級認定 12級7号(可動域制限)
自転車運転中、対向してきた自動車と衝突し、脛骨高原骨折の傷害を負いました。観血的整復固定術(内固定術)が施行されましたが、膝関節の可動域制限が後遺障害として残存し、後遺障害等級12級7号が認定されました。(担当:栄町法律事務所 弁護士 安東直哉)
実例3 後遺障害等級認定 12級13号(疼痛)
バイクで直進中、交差点で右折してきた自動車と衝突・転倒し、脛骨高原骨折の傷害を負いました。保存的加療が選択されましたが、膝関節痛が残存し、骨折による関節面の不整が認められたことから、後遺障害等級12級13号が認定されました。(担当:栄町法律事務所 弁護士 中島賢二郎)
弁護士コメント
交通事故で脛骨高原骨折を負った場合には、膝関節の関節面が陥没することなどにより、関節面の不整が残るケースが多く見られます。しかし、実務上は、主治医がその点を適切に評価できる画像検査を実施していないケースも少なくありません。そのため、本来であれば後遺障害等級12級と評価されるべき事案であっても、14級や非該当と判断されることがあります。
このような場合、本来受け取ることができるはずの賠償金の数分の一しか受領できないこともあり得ます。交通事故で脛骨高原骨折を負われた方は、できるだけ早い段階で栄町法律事務所にご相談いただくことをおすすめします。
<文責:栄町法律事務所 弁護士 中島賢二郎>