かんこつきゅうこせつ
寛骨臼骨折とは、股関節を構成する骨盤側の受け皿部分である寛骨臼に生じる骨折を指します。寛骨臼は、腸骨・坐骨・恥骨の3つの骨から構成されており、股関節のソケット部分を形成しています。この骨折は、主に交通事故や高所からの転落などによる高エネルギー外傷に起因します。特に自動車事故においては、ダッシュボードへの膝の衝突が原因となることが多く報告されています。寛骨臼骨折の代表的な合併症としては、関節面に及ぶ骨折であることから、変形性股関節症の発症が挙げられます。また、大腿骨頭への血流が障害されることで生じる大腿骨頭壊死や、坐骨神経の損傷による神経障害なども発生しうる合併症です。