じょうわんこつきんいたんこっせつ
上腕骨近位端骨折とは、上腕骨の肩関節に近い部分に生じる骨折です。交通事故やスポーツなどの強い外力が原因となりますが、高齢者では、骨粗鬆症の影響により、軽度の転倒でも発生することがあります。上腕骨近位端には複数の筋肉が付着しているため、骨片が転位することが多く、骨折の転位の評価にはCT検査が有用です。可動域制限や変形治癒といった後遺症が残ることもあり、神経損傷を合併すると、肩の挙上に障害が生じることもあります。また、特に、上腕骨頭が脱臼している場合や解剖頸部骨折である場合、あるいは粉砕骨折となっている場合には、骨頭壊死を生じる可能性があります。
実例1 後遺障害等級認定 12級6号(可動域制限)
二輪車で交差点を走行中、左側車線から進路を塞ぐように右折してきた四輪車を避けようとして転倒し、上腕骨近位端骨折の傷害を負いました。観血的手術によりプレート固定術を受けましたが、肩関節可動域制限が残存し、後遺障害等級12級6号が認定されました。(担当 栄町法律事務所 弁護士 中島賢二郎)
実例2 後遺障害等級認定 12級13号(骨頭壊死による疼痛)
原付で走行中、四輪車が無理な車線変更を行ったため衝突・転倒し、上腕骨大結節骨折を受傷しました。その後の治療経過において上腕骨頭壊死を発症し、肩関節痛が後遺症として残存したため、局部に頑固な神経症状を残すものとして後遺障害等級12級13号が認定されました。(担当:栄町法律事務所 弁護士 安東直哉)
弁護士コメント
上腕骨近位端骨折で実務上注意しなければならない点の一つは、示談後に上腕骨頭壊死を生じる場合があることです。上腕骨頭壊死を生じた場合には、人工関節置換術などの追加治療が必要となることがあり、それに伴って追加の損害賠償請求が必要となります。
したがって、画像上、骨頭壊死を生じる可能性があると考えられる場合には、示談後に骨頭壊死等により後遺障害の程度が悪化したときは別途協議する旨の条項を付した上で示談することが重要です。
栄町法律事務所では、自賠責損害調査事務所OBからノウハウの提供・助言を受けるとともに、自賠責損害調査事務所で使用されているものと同種の画像システムを、画像処理能力の高いワークステーションで運用しています。そして、すべての画像を詳細に検討することで、上腕骨近位端骨折の状態を正確に把握し、適切な後遺障害等級の認定獲得につなげ、ひいては賠償金額の増額を実現してきた実績があります。また、骨頭壊死などによる後遺障害の悪化が将来的に予想される事案では、示談後の紛争を防止するため、そのような場合に備えた示談条項を設けるなど、事案に応じた対応も行っていますので、安心してご相談・ご依頼いただけます。
<文責:栄町法律事務所 弁護士 中島賢二郎>