ほふまんちょうこう(ほふまんはんしゃ)
ホフマン徴候(ホフマン反射)とは、検者が中指の爪をはじいた際に、同じ手の親指や人差し指が意思とは無関係に曲がる反応をいいます。この反応が認められる場合を「陽性」とし、診療録には「Hoffmann(+)」などと記載されます。頚髄などの中枢神経における、運動を伝える経路(錐体路)の障害を疑う手がかりの一つです。
ただし、ホフマン徴候が陽性であっても、それだけで頚髄損傷と診断されるわけではありません。事故前からの頚椎の変性や脊髄の圧迫なども検討する必要があり、明らかな神経疾患がない人で陽性となる場合もあります。一方、陰性であっても、頚髄の障害を直ちに否定することはできません。
交通事故後の後遺障害認定では、ホフマン徴候の有無だけでなく、手指の細かな動作のしにくさ、歩行障害、筋力・知覚・腱反射などの神経学的所見と、MRIにおける脊髄の圧迫や髄内の信号変化を照合することが重要です。検査結果と画像所見が一致しない場合には、検査日や左右差、症状の推移、事故前の状態を確認し、必要に応じて主治医に評価を求めます。
<文責:弁護士 中島賢二郎>