本文へスキップ

半月板損傷とは

半月板損傷とは

はんげつばんそんしょう

半月板損傷(はんげつばんそんしょう)とは

 半月板損傷とは、主として膝関節における衝撃吸収の役割を果たす半月板が断裂した状態を指します。半月板は、膝関節内に存在する三日月型の繊維軟骨組織であり、内側にある「内側半月板」と、外側にある「外側半月板」に分類されます(外側半月板は円盤状の形態を呈することもあります)。損傷の主な原因は、スポーツ中に膝を急激にひねる動作や交通事故などによる強い外力が加わることで生じる外傷性損傷と、加齢に伴う退行性変化により自然に裂けてしまう変性損傷の2つに大別されます。後者は、特に中高年に多く認められます。症状としては、膝の屈伸時の痛み、動作時の引っかかり感、膝が途中でロックされて動かなくなる「ロッキング現象」、膝の不安定感などが挙げられます。半月板の断裂は、MRI(磁気共鳴画像)検査によって評価されます。断裂は、その走行方向などにより「水平断裂」および「縦断裂」など数種類の形態に分類されます(他に「横断裂」、「バケットハンドル損傷」)。交通事故に起因する半月板損傷かどうかを鑑別する際には、断裂の走行方向が参考となります。水平断裂は、MRI上では水平な高信号として描出されます。このタイプの断裂は、加齢に伴う変性が原因であることが多く、特に中高年層に多く見られ、明確な外傷の既往がない場合も少なくありません。一方、縦断裂は、MRIでは垂直に走る裂け目として描出されます。こちらは、スポーツや交通事故などによる急激な外力を原因として発生することが多いとされています。また、その損傷が当該交通事故によるものか否かが、後に保険会社との争点となることが少なくありませんが、事故直後のMRI画像(受傷部位周辺の血腫や浮腫の有無など)は、因果関係の立証に大いに役立ちます。

実例 後遺障害等級認定 併合12級
 交通事故により内側・外側半月板を損傷し、半月板縫合術によって良好に修復されましたが、膝の痛みが残存したため、14級9号が認定されました。他の部位について12級13号の認定もあり、併合して併合12級が認定されました。