がいしょうせいくもまくかしゅっけつ
外傷性くも膜下出血とは、交通事故などによる頭部外傷によって、脳を包むくも膜と軟膜の間にある空間(くも膜下腔)に出血が生じる状態を指します。これは、脳動脈瘤の破裂によって発症する非外傷性くも膜下出血とは区別されます。脳は、内側から軟膜、くも膜、硬膜という三層の膜に包まれており、くも膜下腔には脳脊髄液が流れています。くも膜下腔に出た血液は、血腫とはならずに広がっていくこともあるため、外傷性くも膜下出血は比較的軽症で経過することもあり、出血は自然に止血・吸収される場合が多いです。そのため、麻痺や言語障害などの重篤な症状に至ることは比較的少ないのが特徴です。しかし、脳挫傷や急性硬膜下血腫など、他の脳損傷を併発している場合には、後遺障害が残る可能性があります。
実例 後遺障害認定 9級10号
診断書上は外傷性くも膜下出血と記載されていましたが、脳挫傷痕が認められることや、受傷当初から意識障害があったこと、さらに日常生活に支障が生じていることを立証し、脳外傷に起因する高次脳機能障害として後遺障害等級の認定を受けました。