前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)とは
前十字靭帯損傷とは、膝関節の中にある「前十字靭帯(ACL)」と呼ばれる靭帯が、切れたり伸びたりして損傷するケガのことをいいます。前十字靭帯は、膝関節の中心部に位置し、後十字靭帯・内側側副靱帯・外側側副靱帯とともに、大腿骨と脛骨をつなぐ役割を担っています。この靭帯は、後十字靭帯とともに、膝の前後方向のズレやねじれを防ぎ、膝関節を安定させるうえで非常に重要な構造です。この靭帯が損傷する主な原因としては、自転車やバイク乗車中の交通事故により、路面に転倒するなどして膝に強い衝撃が加わるケースなどが挙げられます。受傷初期には、膝の痛みや出血による腫脹が見られ、時間の経過後は、膝がぐらつくような不安定感などの症状が見られます。診断には、医師による徒手検査のほか、ストレスX線検査やMRI検査によって靭帯の状態を確認することが一般的です。