ちゅうしゅこつこっせつ
中手骨骨折とは、手のひらにある5本の中手骨に生じる骨折です。中手骨骨折にはさまざまな型があり、特に第1中手骨基底部に生じる関節内骨折はベネット骨折、第5中手骨頚部骨折はボクサー骨折と呼ばれています。交通事故などによる直達外力のほか、転倒時に手をついたり、拳で物を強く殴ったりした際の介達外力によっても発生します。骨折部が変形したまま癒合すると、手指の運動時に指が交差する回旋変形や握力低下が生じることがあります(実例1)。また、骨折後に疼痛や可動域制限が残存した場合には、後遺障害として評価されることがあります。
実例1 後遺障害等級認定 併合14級
自転車乗車中に対向方向から進行してきた四輪車と接触して転倒し、第4中手骨骨折を受傷しました。観血的骨接合術が施行されましたが、変形治癒により環指が小指の背側に重なる変形(オーバーラッピングフィンガー)が残存しました。その結果、回旋変形による手指機能障害が認められ、「1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの」に準じるものとして14級相当と判断され、他の障害と併合して併合14級が認定されました。後遺障害認定手続においては、オーバーラッピングフィンガーの状態が分かる写真の提出を求められますが、本件では調査事務所の着眼点を踏まえ、変形の状況が明確に認識できる写真を撮影・選定するなどの工夫を要した事案でした。(担当 弁護士 安東直哉)