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交通事故 神戸 弁護士 栄町法律事務所

腱板断裂とは


腱板断裂(けんばんだんれつ)とは

 腱板断裂とは、肩関節の安定性を維持し、上肢の挙上や外旋といった運動機能に重要な役割を果たす筋腱複合体である「腱板」が、部分的または完全に断裂した状態を指します。腱板断裂の発症要因としては、加齢に伴う腱の変性(退行性変化)が主な原因とされており、中高年齢層に多く認められます。また、交通事故による転倒などの外傷や、重量物の持ち上げ動作に伴う急激な負荷によっても生じることがあります。主な症状としては、肩関節部の疼痛(特に夜間や運動時の痛み)や、肩関節の可動域制限が挙げられます。診断にあたっては、臨床症状の評価に加えて、MRIによる画像診断が不可欠となります。腱の断裂範囲や周囲の浮腫、血腫の有無などを把握するために、MRIは非常に有用です。なお、腱板損傷が交通事故と因果関係を有するかどうかは、後に保険実務上の争点となることがあります。そのため、受傷直後に撮影されたMRI画像において、腱付近の血腫や浮腫などの急性期所見が確認できれば、医学的因果関係を立証する上で極めて重要な資料となります。