かたかんせつだっきゅう
肩関節脱臼とは、腕の骨である上腕骨が肩甲骨の関節窩から外れてしまった状態を指します。スポーツや交通事故による転倒などの衝撃によって発生します。脱臼にはいくつかのタイプがありますが、最も多いのは、上腕骨が体の前方にずれる前方脱臼です。脱臼時には強い痛みと運動障害を伴い、腋窩神経の損傷により、しびれや筋力低下が生じることもあります。治療としては、脱臼した関節を元の位置に戻す整復が行われます。若年者では再脱臼を起こしやすく(反復性肩関節脱臼)、再発予防のために手術が検討されることもあります。このように、交通事故以前にスポーツなどで反復性脱臼を起こしている場合もあり得るため、事故と脱臼との因果関係が争点となることもあります。