栄町法律事務所(さかえまちほうりつじむしょ) 本文へジャンプ
よくある相談とその回答
1 期限の利益の喪失                   
Q 私は、銀行から借金して月払いの分割で返済してきました。契約には、一度でも返済期限に遅れると期限の利益を喪失し、一括で返済してもらう旨の文言がありました。しかし、私が何度か期限に遅れて返済したことはあったのですが、銀行はその後もそれまでと変わりなく、分割での支払を受け取っていました。ところがその状態で3年も経過したある時、突然、銀行が残額全額の一括弁済と期限に遅れたときからの遅延損害金の支払いを求めてきました。私は、一括で支払うことなど出来ませんので困っています。
A 一度でも返済期限に遅れると期限の利益を喪失し、一括で返済してもらう旨の文言が契約にある場合、あなたが返済期限に遅れた時点で、銀行はあなたが分割で弁済する権利(期限の利益)を喪失したとして、全額弁済と遅延損害金の支払いを求めることが出来ることになるかにみえます。
 しかし、借主にとっては、借金全体をとても一括では返せないから分割弁済にしてもらっているのであり、些細なことで期限の利益を喪失したとして一括で全額を返済するようにいわれれば借主の生活や経営が成り立たなくなるほどの甚大な影響が及ぶことは明らかです。これまでの裁判例でも、期限の利益喪失条項の効力を制限する例が多く見られました。最近の裁判例では、いったん弁済が遅れた後も銀行が残額の一括弁済を求めず、これまで通り分割弁済を受け入れていたときは、再度、期限の利益を与え分割弁済を認める暗黙の意思を示したものとして、その後、突然、残額一括弁済を認めることは出来ないと判断がなされています(東京高裁平成13年1月25日判決)。
 したがって、その裁判例の考え方では、あなたの場合も、借金を一括弁済をしなくて良いことになります。



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